ギター講師になるまでにやってきた10のこと

ギターのこと

はじめに

僕の職業はギター講師というものです。

バンドで売れる!と夢見て20代をひたすらライブでツアーしていた自分ですが現在はギター講師で生計を立てつつ奥さんと子供と三人で幸せに暮らしているのでこれも人生だねという感じです。

30代を迎えた辺りから、何がなんでも音楽を仕事にしたかった自分。

ここまで音楽やってきたのに!ともはや意地にもなっていたし、この先どうしようと焦ってもいたし、音楽で食うんだ!ということが呪縛にさえなっていました。笑

何はともあれ、そこから一応ギター講師となり今ギリギリですが生活しているので、今回はそんな過去の自分がやってきて良かったなと思うことをまとめてみました。

とても遠回りで要領も悪く、ギタリストとしてもっともっと良い進み方はたくさんあると思いますが、これからギターで食っていきたいという人達にこんな感じでやってる奴もいるよ、という一つの参考例くらいになればいいなと思います。

それではギターを始めた頃の自分から順を追って進んでいきます。

1、好きな曲をひたすらコピー

中三からギターを始めた自分ですが、それまで音楽の授業が好きだったわけでもないし、音楽の知識なんて何一つなかった僕ですがTAB譜の存在のお陰で曲をコピーしていくことが出来ました。

初めて一曲丸ごとコピー出来た曲がHi-STANDARDDEAR MY FRIENDという曲なんですが、この曲が収録されているMAKING THE ROADというアルバムのバンドスコアを手に入れて以来、アルバムの収録曲をひたすらにコピーしていきました。

ピックの持ち方もフォームもわかってないし、基礎練習も何も知らず、それでもとにかく大好きなバンドの曲が弾きたくて仕方ないその衝動のままに弾いていました。

あとはハイスタのライブ映像やCDを何度も聴いてどうやって弾いてるんだろうと自分なりに研究しつつ近づけられるよう努力してました。

教則本とか見ればもっと効率よくいろんなテクニックが身についたとも今になれば思うのですが、あの頃はとにかくバンドが好きで憧れの気持ちだけで弾いてたので仕方ないですね。

後に他にも当時から大好きなthee michelle gun elephant のスコアも手に入れてよく練習してました。

メトロノームの事もよく知らなかった自分はとにかくCDに合わせて練習していました。

途中ピックの持ち方が変や!とかピッキングがおかしいとか気づいては矯正気づいては矯正をこれも自己流でやってましたね。

とても効率の悪い練習方法だったとは思いますが、自分の場合はコピーを通してギターの基礎的なテクニックを身につけていきました。

ブリッジミュートやアルペジオやカッティング、チョーキングにハンマリング、プリング、あと特にピックスクラッチやりまくってた。笑

全部大好きなバンドに教わりました。

時間はかかりまくりでしたがこれしか自分がギターを上手くなる方法はなかった気がします。

きっと教則本やどこかのカリキュラム通りではモチベーションが保てなかっただろうなと。

2、バンドを組む

ギターを始めた一年後くらいにはコピーバンドを組んでいた自分です。

バンドと呼べるレベルではないくらいに下手くそだったとは思いますがバンドを組むことで周りの音を聴く意識が自分の場合はつきました。

どうしても部屋で一人練習していると自分の世界に入ってしまうので周りと合わせるということが自分は早めにバンドをすることで身についていったと思います。

レッスンをしているとギターを弾くことに必死で気づいたらメトロノームを聴くことを忘れていてどんどんズレていってしまうという生徒さんが多くいらっしゃるので、バンドを組むことで楽しく、自然とリズムや他の楽器の音を意識しながら演奏するということが身につけやすいかなと思います。

高校の三年間はコピーバンドをやり続けていました。

組んでは解散、組んでは解散という感じでメンバーを毎度毎度集めることに苦労しました。

3、ライブに出る

そんな下手くそなコピーバンドにも関わらず高校の先輩が出るというライブハウスでのイベントに誘ってもらい初のライブ出演も早々に経験することが出来ました。

とても人に聴かせられるような演奏ではなかったと思いますが、人前で演奏することで次はもっといいライブが出来るように、と練習のモチベーションの維持には自分にとって最適だったと思います。

ライブ出演を続けることで高校生の間反省と改善を繰り返すことが出来ました。

4、作曲する

その後高校を卒業し、地元を離れ大阪へと進学したのですが、ここら辺からいつか絶対売れたんねんと意気込んでいた僕は大阪でバンドメンバーを探し、オリジナル曲でやっていくバンドを結成しました。

曲作りもしたことはなかったけど、自分の想うような曲をやるには自分で作るしかないのでなんの知識もないままに本当になんとなく作っていきました。

ほとんどパワーコードのみですがそこにメロディーを乗せてコード進行も今までコピーしてきた曲からなんとなく模倣しつつ、そうやって作っていくうちにコード進行のパターンや曲の展開の仕方等を感覚的に身につけていきました。

これについても音楽理論を勉強して、コードの知識なんかをある程度つけてから作った方が確実に近道ですが、あの頃の自分にはそれしかなかったんですね。

まあとにかく作ってみようって感じですね。

5、作詞する

これも作曲と同じく作る人おらんし、いても口出したくなる自分には自分で作るのが一番でした。

メロディーに歌詞をハメていくことで言葉のリズムの感覚だったりが身につきました。

講師になってから役立った点で言えばシンガーソングライターを目指すような人達の相談にも乗りやすいということもあったのでやっていて良かったと思います。

6、ツアーに出る

大阪にやって来てバンドを組み、オリジナル曲を作り、ライブハウスに出演し、それなりにバンドマンとなった自分たちはあとは全国に名を知ってもらうため活動の幅を広げるのみでした。

そして始めの頃は東京への遠征ライブに始まり、後には毎月毎月全国津々浦々でライブする日々を何年も過ごしました。

この経験から全国のライブハウスのことや都会と地方での音楽活動の仕方などを学ぶことが出来ました。

これも直接的にではないですがギター講師としての仕事の中でいろんな視点からのアドバイスだったり音楽談議などに役立っているかなとは思います。

しかし時間も費用も貧乏バンドマンだった自分にとって莫大なものを費やしてきたので、あの頃もっとバランスよく生きられたのならなぁ〜と今でも遠い目になります。

7、全国にバンド仲間を作る

はい、これですね。

これに尽きます。

いろいろありますがこれが一番大事な気がします。

各所の仲間たちが人生のいろんなタイミングで助けてくれました。

僕がギター講師をやり始められたのもバンドの先輩が開いている音楽スクールで講師をやらせてくれたことが始まりです。

その他、作曲やギターのお仕事など数々の仲間たちが声をかけてくれることで僕の人生が成り立っています。

本当にありがたい。

全国ツアーもこのためにやっていたと今なら思えます。

しかし連日の打ち上げは身もお財布も滅ぼすので、二度とやりたくないです笑

8、レコーディングする

話は前後してしまいますが、自分の場合初めてのレコーディングはオムニバスCDの参加でした。

確か20歳の時でした。

そのオムニバスCDが割と売れてそのままその企画をしていたレーベルに所属したので正直スタートはかなりラッキーでしたね。

レコーディングは自分でエンジニアさんや録音スタジオを手配していくとなるとかなり費用もするので。

そこから何曲も何曲もレコーディングしてきた事で確実にギターの上達に繋がりました。

ぶっちゃけここまでちゃんと基礎練習みたいなことをほとんど自分はやってきていなかったのでレコーディングすることで波形を見てリズムのズレを痛感したり、ギターの音作りやアンサンブルのことを理解していきました。

とにかく録音してやっと自分の下手さや無知さを知っていった感じでした。

本当によくあんなんでレコーディングしてきたなと思います。笑

9、音源をリリースする

初めてのオムニバスCD参加以降、フルアルバム、ミニアルバム、シングル等、何枚ものCDをリリースさせてもらいました。

CDショップに自分達のCDが並ぶのはそれはそれは興奮しました。

とにかく売れたかった自分にとっては音源をリリースすることで、自分達より売れているアーティストの曲や流行りの音楽を意識するきっかけとなり、なぜこの人たちは売れているんだろうと真剣に考え、様々なジャンルの音楽もよく聴き、とても勉強になりました。

今となっては生徒さん達の希望する様々な曲への対応する力となったと思います。

当時は売れてる全ての人に嫉妬してました。笑

10、スクールの採用試験に応募する

7でも書きましたが、ギター講師をやり始められたのはバンドの先輩が開いている音楽スクールで講師をやらせてくれたことが始まりでした。

そこで経験や実績をつけられたので、他の複数のスクールでも採用試験に応募し、筆記試験や実技試験や面接などあり、すんなりと採用していただけました。

筆記試験も自己採点してみたところけっこう間違えたりしていたので多分ほぼ面接です。

実績があったからこそ面接で信頼を得られたと思います。

実は20代半ばくらいの頃に採用試験に申し込んだことはあったのですが、そのときは不採用でした。

終わりに

大まかにまとめて僕がギターを始めてから、ギター講師となるまでの経緯はこんな感じでした。

バンド時代は鳴かず飛ばず、ギターの腕もそんなに大したものではない、それでもバンドが大好きで憧れてやって来て、たくさんの仲間が出来て今があります。

とても良い例とは言えませんがこういう人もいるんだと思ってもらえれば、誰かのギター人生

の役に立てれば嬉しいです。

そして今自分は長い間縛られていた音楽で食うという呪いからはとりあえず解放されたのでこれから先は音楽にこだわらずまた別の仕事とかいろんなことも出来たらいいなぁと思います。

音楽だけで生きていかなきゃと思う必要はありません。

これからも音楽はやりながら、ギター弾きながら楽しく生きていければと思っています。

またギター関連、バンド関連等の記事も書きたいなと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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