地域おこし協力隊研修会に行ってきた 田口太郎先生の講演

地域おこし協力隊

こんにちは。私は富山県射水市で現役地域おこし協力隊をやっています。

先日富山県が主催する地域おこし協力隊の研修会に行ってきました。

※地域おこし協力隊は隊員向けに様々な研修会やセミナーなどが度々開催されるので学ぶ機会が多くありとても助かっています。

さて、今回参加した研修会では徳島大学大学院の教授である田口太郎先生による基調講演が行われました。

学生時代こんな授業だったらもっと夢中になれただろうな〜と感じるような、とてもいい講演で夢中になって聞けました。

いい刺激を受けることができたのでシェアしようと思います。

田口太郎先生とは

田口 太郎(たぐち たろう)先生は、徳島大学大学院社会産業理工学研究部の教授であり、併任として総合科学部、大学院創成科学研究科、人と地域共創センター、環境防災研究センター、バイオイノベーション研究所に所属しています。また、合同会社暮らしと自治と創造の業務執行社員も務めています。

総務省これからの移住・定住の在り方に関する検討委員、内閣府地方創生推進交付金の在り方に関する検討委員会、などを歴任。

田口先生の研究テーマは、市民によるまちづくりの自律化に向けたプロセスデザインです。主な研究キーワードには、まちづくり体制、ネットワーク型自治、住民自治、プロセスデザイン、Institutional Process Designなどがあります。

田口先生は、地域社会の自律的なまちづくりや防災に関する研究・実践に積極的に取り組んでおり、徳島大学や合同会社を通じて多方面で活躍されています。

実際に過疎地域に移住して現在も生活されており、ご自身も家族と共に地域の一員となり、同じ問題に向き合い、地域づくりにも取り組んでいて、説得力が違いました。

主な著書「まちづくりオーラル・ヒストリー」(水曜社、2025)、「少人数で生き抜く地域をつくる」(学芸出版社、2023)、「地域おこし協力隊は何をおこしているのか?移住の理想と現実」(星海社、2024)ほか

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と凄まじい経歴の大先生で一見自分のような人間が関われるようなお方ではなさそうですが、話し方は気さくなとっつきやすい田舎の兄ちゃんという雰囲気でおもしろくてとても魅力的な方でした。

人口減少問題は何が”問題”なのか?

↑という切り口で基調講演は始まりました。

まず地域にとって「人口」とは何か?

●地域産業の労働力としての「人口」

●地域社会の担い手としての「人口」

●地方交付税の算定基準としての「人口」

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→「人口」を目的に応じて考える必要がある

単純に「人口」といっても捉え方は様々であり、政策と関連する「人口概念」を理解して取り組む必要がある。

●産業振興施作としての「人口」→就労者、産業の担い手

●地域社会の担い手としての「人口」

●地域の統計的居住者としての「人口」

→→→→→→→→→地域における「人口」の意味を考える、地域状況と「人口」の関係について考える

2027年問題

団塊の世代が80代に

●地域の最大勢力である団塊の世代

●高齢者になっても元気だが、80歳超えとなり、要支援者なっていく

●最大勢力が「担い手」から「受援者」に移行する

●団塊の世代が免許返納のタイミング(80歳前後)に

●自動車移動を前提とした地域生活の困難化

●間に合わない自動運転の普及

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→個人運転移動に依存しないライフスタイル獲得の必要

元気のない5,000人 VS イキイキした2,000人

どちらが「地域」として良いか?→「数の議論」から脱却し、一人一人のQOLを高めていく必要がある

田口の地域づくりにおける問題意識

●地域における多様な意見の現実

→大半の人があまり興味のない「まちづくり」 →興味のない人に、いかに興味を持ってもらうのか

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→お金が儲かる!楽しい!といったインセンティブが必要

→徹底的に諦めている人の存在

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→”キラキラ”したところばかり見てしまっていないか?自分の”まちづくり”が表面的なところしか触っていないのではないか?

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→まちづくり、特に行政が関わるものは、ネガティブな人も含めて包摂的であるべきではないか?

◆地域の中にある温度差

・いわゆる「キーパーソン」は忙しくなり、「指示する人」になりやすい。「指示される人」の認識のズレが拡大することで不満が溜まりやすく、活動がストップする。

・「まちづくりの先進地」で聞く、リアルな声と「一部の意見でしかない」という声

→→→→→→→→→→→→→→「キーパーソン」や「発信されている」説明を鵜呑みにして良いのか?

地域における「自治の空白」

●必要な自治力と担い手数とのギャップ

・財政健全化に向けた行政職員の減少、行政サービスの減少

・過疎高齢化による住民自治の限界

地域を維持するのに必要な自治活動には二種類あり、

「行政による団体自治活動」→→財政の悪化、人員不足による行政サービスの低下

「住民による地域活動」→人口減少、少子高齢化による集落自治の担い手の減少

によって自治の空白が生まれている。

そこをどう埋めるか?”自治の空白”を埋める必要がある。🟰地域づくり

終わりに

このようなお話しからこの後は”地域おこし協力隊”という制度の話へと話題は移っていきます。

そちらについてはまた別の記事にまとめようかと思います。

「まちづくり」ということに対して、研究を続け、現在も実際に取り組んでおられる話に共感し、自分ももっとやらないと!と刺激もいただきました。

引き続き自分もさらに学びながら、実践していこうと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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