「最初は楽しそうに弾いていたのに、最近はギターを触りたがらない」
「せっかくギターを買ったのに、もう飽きてしまったかもしれない」
そんな様子を見ると、親としては少し心配になりますよね。
しかし、6歳前後の子どもがギターに飽きたり、練習しなくなったりするのは珍しいことではありません。
ギターは、音をひとつきれいに鳴らすだけでも意外と難しい楽器です。大人と同じ練習をさせようとすると、「できない」「つまらない」と感じやすくなります。
まず試したい3つの対策
子どもがギターを嫌がり始めたら、まずは次の3つだけ試してみてください。
- 練習時間を5分にする
- 好きな曲を1フレーズだけ弾く
- 親も一緒に楽器や手拍子で参加する
曲を最後まで弾かせたり、毎日練習させたりする必要はありません。
「もう少しやりたい」と感じるくらいで終わる方が、次の日もギターを手に取りやすくなります。
この記事では、ギター講師として年長から小学1年生くらいの子どもを教えてきた経験をもとに、子どもがギターに飽きる理由と、親ができる8つの対策を紹介します。
6歳前後の子どもがギターに飽きる理由
ギターは音を鳴らすまでが難しい
ピアノは鍵盤を押せば、ドラムは叩けば、とりあえず音が鳴ります。
一方、ギターは左手で弦を押さえながら、右手で狙った弦を弾かなければなりません。
さらに、
- 弦が硬い
- 指が痛くなる
- ギターが身体に対して大きい
- きれいな音が鳴らない
- 左右の手を同時に動かす必要がある
といった難しさがあります。
大人にとっては簡単に見える「1音を鳴らす」という動作も、小さな子どもには立派な課題です。
「上達するために練習する」がまだ分かりにくい
大人なら、
「今はできなくても、練習すれば上手くなる」
と考えられます。
しかし、6歳前後の子どもにとって大切なのは、将来上達するかどうかよりも「今、楽しいかどうか」です。
「毎日練習したら上手くなるよ」と説明しても、それだけで練習を続けるのは難しい年代です。
最初の目標が大きすぎる
いきなり1曲弾く、コードを覚える、正しいリズムで演奏するといった目標は、6歳前後の子どもには難しすぎることがあります。
なかなか成功できない状態が続くと、
「できない」
↓
「楽しくない」
↓
「もうやりたくない」
という流れになってしまいます。
最初の目標は、1曲ではなく「1音鳴った」で十分です。
親が先生になってしまう
子どもに上手くなってほしいと思うほど、親はつい、
「そこじゃないよ」
「指が違うよ」
「さっきも教えたでしょ」
と言ってしまいます。
もちろん、悪気があるわけではありません。
しかし、子どもにとってギターが「遊び」から「正しくできるか試される時間」に変わると、触りたくなくなってしまいます。
子どもがギターに飽きたときの対策8選
対策① 練習時間を5分にする
6歳前後なら、練習は5分でも十分です。
集中できているからといって、無理に10分、20分と続ける必要もありません。
「もう終わり?」
と言うくらいで終わらせるのが理想です。
5分が難しい日は、1分でも構いません。
大切なのは練習時間の長さではなく、ギターに触れたときに嫌な気持ちを残さないことです。
対策② ゴールを「1音」か「1フレーズ」にする
「今日はこの曲を弾けるようにしよう」ではなく、
- 1本の弦を鳴らす
- 前より少しきれいな音を出す
- 3つの音だけ順番に弾く
- 好きな曲の最初だけ弾く
といった小さな目標にします。
たった1音でも、子ども自身が「できた」と感じられれば、その日の練習は成功です。
対策③ 好きな曲や知っている曲を使う
教則本の順番より、子どもが知っている曲を優先して構いません。
好きなアニメの曲や、保育園・学校で歌った曲など、本人が反応する曲を選びましょう。
難しい曲の場合は、全部弾く必要はありません。
サビの最初だけ、印象的な音だけ、リズムだけでも十分です。
初めての練習曲には、単音で弾ける童謡もおすすめです。
最初からコードを押さえなくても、メロディーを1音ずつ弾くだけで曲として楽しめます。
対策④ 上手さではなく「変化」を褒める
「上手だね」と褒めるのも悪くありませんが、できれば具体的な変化を伝えてみてください。
例えば、
- 「さっきより音が長く鳴ったね」
- 「今の音、きれいだったね」
- 「自分でギターを持ってきたね」
- 「昨日より指が届いていたね」
といった声かけです。
正解か不正解かを評価するのではなく、親が気づいたことを伝えます。
子どもにとっては、上達そのものよりも「見てもらえている」という感覚が次のやる気につながります。
対策⑤ 練習をゲームや音遊びに変える
子どもが曲の練習に飽きたら、ギターを使った遊びに変えてみましょう。
例えば、
- 30秒だけ音を鳴らす
- 親の手拍子に合わせる
- 大きな音と小さな音を出し分ける
- 動物の鳴き声をギターで作る
- 親が鳴らした音をまねする
- 音が鳴ったら親が変顔をする
といった遊びです。
曲を弾かない日があっても問題ありません。
「ギターから音を出すと楽しい」と感じてもらうことが、最初の段階では何より大切です。
対策⑥ 親も一緒に参加する
子どもだけに「練習して」と言うより、親も一緒に参加した方が続きやすくなります。
親がギターを弾けなくても大丈夫です。
- 一緒に歌う
- 手拍子をする
- タンバリンなどを鳴らす
- 子どもが弾いた音に合わせて踊る
- 親も別の楽器を触ってみる
これだけでも、練習ではなく親子の遊びになります。
このとき、親は先生ではなく「一緒に音楽を楽しむ人」になることを意識してみてください。
対策⑦ 飽きたらその日はやめる
子どもが別の遊びを始めたり、明らかに集中が切れたりしたら、その日の練習は終わりで構いません。
「あと1回だけ」
「せっかく出したんだから」
と続けさせると、最後に嫌な印象が残ってしまいます。
途中でやめても怒られないという安心感があれば、また自分から触りたくなる可能性があります。
数日間まったく触らない時期があっても、すぐに「ギターに向いていない」と判断する必要はありません。
対策⑧ ギターを手に取りやすい環境にする
ギターを毎回ケースに入れて押し入れにしまうと、弾き始めるまでのハードルが高くなります。
安全を確保できる範囲で、リビングなど目につく場所に置いてみましょう。
ギタースタンドを使えば、子どもが興味を持ったときにすぐ手に取れます。
ただし、次のような場合は練習方法だけでなく、ギター自体が子どもに合っているかも確認してください。
- ギターが重くて持てない
- ネックが太くて手が届かない
- 弦が硬くて強い痛みが出る
- 座ったときにギターが安定しない
身体に対してギターが大きすぎる場合は、ミニギターやショートスケールのギターも選択肢になります。
無理に買い替える必要はありませんが、道具の大きさが原因で「弾きたくない」状態になっていないかは確認しておきましょう。
PLAYTECH ( プレイテック ) / ST025 RED 570mmスケール ミニギター

子ども向けの簡単な練習メニュー
何をすればいいか迷った日は、次の5分メニューを試してみてください。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 1分 | 好きなようにギターを鳴らす |
| 1分 | 1本の弦を狙って弾く |
| 2分 | 知っている曲を1フレーズだけ弾く |
| 1分 | 親と一緒に歌う、手拍子をする |
全部できなくても問題ありません。
途中で子どもが楽しそうなことを見つけたら、予定どおりに進めず、その遊びを続けて大丈夫です。
それでも練習しないときは休ませてもいい
いろいろ試してもギターを嫌がる場合は、いったん休ませてみましょう。
1週間、2週間、場合によっては数か月離れても構いません。
ギターを続けることより、嫌いにさせないことの方が大切です。
子どもの興味は変化します。一度離れても、好きなバンドや曲に出会ったことをきっかけに、数年後また弾きたくなるかもしれません。
そのときに「ギターを弾いて怒られた」ではなく、「家族と遊んで楽しかった」という記憶が残っていれば、戻りやすくなります。
よくある質問
6歳からギターを始めるのは早すぎますか?
早すぎるとは限りませんが、大人と同じように練習するのは難しい年代です。
曲を完成させることよりも、音遊びとしてギターに触れるところから始めましょう。
毎日練習させた方がいいですか?
毎日にこだわる必要はありません。
嫌がりながら毎日練習するより、本人が楽しめる日に短く触る方が、ギターへの良い印象を残しやすくなります。
親がギターを弾けなくても教えられますか?
最初の段階なら、親が弾けなくても大丈夫です。
TAB譜の数字を一緒に確認したり、手拍子や歌で参加したりするだけでも練習になります。
何から始めればいいか分からない場合は、ギターを買った初日にやること7つも参考にしてください。
ギター教室に通わせた方がいいですか?
親子で教えるたびに喧嘩になってしまう場合や、子どもが先生に習いたがっている場合は、体験レッスンを利用するのもひとつの方法です。
ただし、教室に通えば必ず続くわけではありません。
先生との相性や、子ども本人が楽しそうにしているかを見て判断しましょう。
まとめ|続けさせるより、楽しい記憶を残そう
6歳前後の子どもがギターに飽きるのは、才能がないからでも、ギターに向いていないからでもありません。
ギターは小さな子どもにとって、音を鳴らすだけでも難しい楽器です。
まずは、
- 練習を5分で終える
- 1音鳴ったら成功にする
- 好きな曲を1フレーズだけ弾く
- 親も一緒に参加する
- 嫌がったらその日はやめる
という形から始めてみてください。
ギターは、無理に続けさせるものではなく、まず楽しく出会ってもらうものです。
今は離れてしまっても、数年後にまた弾きたくなるかもしれません。
そのときに「子どもの頃、ギターを触るのが楽しかった」という記憶が残っていれば、それだけでも十分に意味があります。







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