THE BLUE HEARTSの「終わらない歌」は、ギター初心者がパワーコードを練習する曲としておすすめです。
曲の中心となるのはA・D・Eというシンプルなコード。難しいギターソロもなく、パワーコードの形を横に動かすだけでも、原曲のような勢いのあるロックサウンドを楽しめます。
ただし、テンポはかなり速めです。左手のコード自体は難しくありませんが、原曲の速さで最後までリズムを崩さずに弾くには、右手のピッキングとコードチェンジの練習が必要です。
この記事では、筆者が作成した譜面をもとに、初心者でも取り組みやすい順番で「終わらない歌」の弾き方を解説します。
最初から原曲どおりに完璧に弾く必要はありません。まずはA5・D5・E5の3つだけで弾ける部分から始めて、少しずつ演奏できる範囲を広げていきましょう。
「終わらない歌」のギター難易度
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総合難易度 | ★★☆☆☆〜★★★☆☆ |
| チューニング | レギュラーチューニング(E・A・D・G・B・E) |
| カポ | なし |
| キー | A |
| テンポ | 約175 BPM |
| 主なコード | A、D、E、C#m、Bm、F#m |
| 主な奏法 | パワーコード、8分音符のピッキング、休符を使ったキメ |
パワーコードに置き換えると、使用するコードは次の6種類です。
- A5
- D5
- E5
- C#5
- B5
- F#5
すべて同じ形を移動させて弾けるため、コードフォームをいくつも覚える必要はありません。
一方で、原曲のテンポは約175 BPM。初心者にとって本当に難しいのは、左手よりも右手です。
「コードは押さえられるのに曲についていけない」という場合も、才能やセンスの問題ではありません。テンポを落とし、余計な力を抜いて練習すれば、少しずつ弾けるようになります。
「終わらない歌」がパワーコードの練習におすすめな理由
1.同じ形を横に動かすだけで弾ける
パワーコードは、ルート音と5度の音を組み合わせたシンプルなコードです。
メジャーコードとマイナーコードの違いを決める3度の音を含まないため、譜面上のC#m・Bm・F#mも、それぞれC#5・B5・F#5という同じ形で弾けます。
つまり、「終わらない歌」で使う6つのコードは、基本的にひとつのフォームを覚えて横に移動させれば対応できます。
パワーコードの押さえ方がまだ分からない方は、先にこちらの記事を確認してみてください。
2.A・D・Eだけで弾ける部分が多い
曲の中心になっているのはA・D・Eの3コードです。
パワーコードならA5・D5・E5となり、特にサビを中心とした部分では、この3つを覚えるだけでも曲に合わせて演奏できます。
最初はC#5・B5・F#5が出てくる部分を後回しにしても構いません。まずは曲の一部分でも「原曲と一緒に弾けた」という感覚を味わうことが大切です。
3.ロックらしい右手の使い方を練習できる
「終わらない歌」の勢いを出すためには、コードを押さえるだけでなく、右手で一定のリズムを刻む必要があります。
速いテンポでの8分音符、音を伸ばす部分と短く切る部分、全員で音を合わせるキメなど、ロックギターの基本が詰まっています。
難しいテクニックを増やす前に、シンプルなコードでリズムを安定させる練習ができる曲です。
使用するパワーコードのポジション
初心者には、次のポジションがおすすめです。
| コード | ルート音の位置 | 押さえるフレットの例 |
| A5 | 6弦 | 5フレットを基準にする |
| B5 | 5弦 | 2フレットを基準にする |
| C#5 | 5弦 | 4フレットを基準にする |
| D5 | 5弦 | 5フレットを基準にする |
| E5 | 5弦 | 7フレットを基準にする |
| F#5 | 6弦 | 2フレットを基準にする |
A5を6弦5フレット、D5を5弦5フレット、E5を5弦7フレットで弾くと、A・D・Eの移動が比較的小さくなります。
人差し指でルート音、薬指または小指で2本隣のフレットを押さえましょう。最初は2音だけでも十分です。音に厚みが欲しい場合は、同じ音程のオクターブを加えた3音の形で弾きます。
大切なのは、押さえていない弦を鳴らさないことです。人差し指の先や腹を隣の弦へ軽く触れさせ、不要な音をミュートしてください。


初心者はサビのA5・D5・E5から練習しよう
いきなりイントロから最後まで通して練習するより、まずはA5・D5・E5を中心に進む部分から始めるのがおすすめです。
基本となる流れは、次のようにA・D・Eを組み合わせたものです。
A5 → D5 → E5 → A5
この4コードの流れを、まずはゆっくり繰り返します。
1小節につきひとつのコードとして、最初は各コードを1回だけ鳴らしてみましょう。コードチェンジが間に合うようになったら4分音符、さらに余裕ができたら8分音符へ増やします。
初心者向けの3段階練習
- 各コードを1回だけ鳴らす
- 4分音符で「1・2・3・4」と弾く
- 8分音符で一定のリズムを刻む
この順番なら、左手のコード移動と右手のピッキングを同時に難しくせずに済みます。
サビの最後には、E5からD5、最後にA5へ戻るキメも登場します。ここは音を伸ばし続けず、バンド全体で音が止まる位置を意識すると、原曲らしい歯切れが出ます。

イントロの弾き方
イントロでは、譜面上のA・E・D・C#m・Bmを軸にした進行が使われています。
パワーコードで弾く場合は、次のように置き換えられます。
A5 → E5 → D5 → C#5 → B5
ポイントは、コードの数よりもリズムです。すべての音を同じ長さで鳴らすのではなく、短く切る音、少し伸ばす音、休符をはっきり分けましょう。

間奏の弾き方
間奏では、AとEのコードを土台にした4小節の単音フレーズが登場します。
ここでは初心者でも弾きやすいように、5弦と4弦の開放弦を取り入れたポジションで解説します。開放弦を使えば押さえる音が減り、左手を大きく動かさなくても演奏できます。

Aの小節は開放弦を利用する
Aの小節では、次の順番で弾きます。
5弦開放 → 4弦2フレット → 4弦開放
最初の5弦開放は左手で押さえる必要がないため、その音を鳴らしている間に4弦2フレットへ人差し指を準備できます。
4弦2フレットを弾いたあとは、人差し指を離して4弦開放を鳴らします。指を大きく持ち上げる必要はなく、弦から少し離すだけで十分です。
ただし、5弦開放の音が必要以上に残ると単音フレーズが濁って聞こえます。4弦2フレットを押さえるときに、人差し指の先を5弦へ軽く触れさせると、前の音を自然に止められます。
Eの小節は5弦上だけで移動する
Eの小節は、5弦だけを使って次のように弾きます。
5弦4フレット → 5弦2フレット → 5弦4フレット
5弦2フレットを人差し指、4フレットを薬指で押さえると、手の位置を動かさずに弾けます。
4フレットを弾くときも人差し指を完全に遠ざけず、2フレットの近くへ残しておくのがポイントです。次の音への移動が小さくなり、テンポが上がっても遅れにくくなります。
音を鳴らすタイミングに注意する
このフレーズは1小節に3音だけですが、3音を均等な間隔では弾きません。
8分音符で「1・と・2・と・3・と・4・と」と数えた場合、音を鳴らす位置は次のとおりです。
「1」→「2の裏」→「4」
左手よりも、このリズムを正確に取ることが重要です。まずはギターを持たずに、譜面を見ながら3回手拍子をしてタイミングを確認してみましょう。
ピッキングは、3音ともダウンピッキングで問題ありません。右手を大きく振らず、弾く弦のすぐ近くにピックを待機させておくと、5弦と4弦の移動が安定します。
最初はAの小節とEの小節を分けて練習し、それぞれ弾けるようになってから4小節をつなげましょう。開放弦をうまく使えば、初心者でも原曲らしい間奏フレーズに挑戦できます。
AメロでF#5とB5を加える
Aメロでは、A・D・Eに加えてF#mとBmが登場します。
パワーコードで弾く場合の基本的な流れは、次のようになります。
A5 → D5 → E5 → A5 → F#5 → B5 → E5 → A5
F#mとBmを通常のコードで押さえる場合はバレーコードになりますが、F#5とB5なら同じパワーコードの形で演奏できます。
この曲を初心者向けの練習曲としておすすめできる大きな理由がここです。難しいセーハコードを完成させていなくても、曲全体の雰囲気を保ったまま演奏できます。
F#5は6弦2フレット、B5は5弦2フレットを基準にします。どちらも2フレット周辺にあるため、ルート音が6弦から5弦へ移ることを意識するとスムーズです。
2番のサビは「ダッ・ダッ・ダダダ」のリズムで弾く
2番のサビでは、コードを伸ばし続けず、終始「ダッ・ダッ・ダダダ」というリズムで演奏します。
1小節のリズムを8分音符で数えると、次のようになります。
1(ダッ)・2(ダッ)・3(ダ)・3の裏(ダ)・4(ダ)・4の裏(休み)
最初の2回は音を短く切り、後半の3回は間を空けずに続けます。最後の4拍目の裏では音を鳴らさず、次の小節のコードへ移る準備をしましょう。
この部分はコードチェンジよりも、音を切るタイミングをそろえることが重要です。「ダッ」と弾いた直後に、コードの形を崩さず左手の押さえる力だけを抜くと、歯切れよく音を止められます。
右手まで完全に止めるとリズムが崩れやすいため、休符の間も8分音符の動きを小さく続けてください。まずはA5だけで「ダッ・ダッ・ダダダ」を繰り返し、リズムが安定してからD5・E5を加えると弾きやすくなります。

2番サビ後はアコギだけで始まる静かなバース
2番のサビ後からは、それまでの勢いをいったん落とし、アコギを中心にした静かなバースへ切り替わります。
この部分では、単にコードを正しく弾くだけでなく、曲全体の音量差を作ることが大切です。前のサビと同じ強さでストロークせず、ピックを浅く当て、歌が入る余白を残しましょう。
最初の8小節はアコギだけで演奏する
2番のサビ後の頭8小節はアコギのみです。エレキギターとドラムは入らないため、アコギのテンポがバンド全体の基準になります。
コード進行はA・D・Eを中心としているので、左手の難易度は高くありません。音量を抑えながらもテンポが遅くならないよう、右手のストロークは一定に保ってください。
エレキギターを担当する場合、この8小節は演奏せずに待ちます。1人で曲全体を弾く場合は、クリーントーンに切り替えてピッキングを弱くすることで、アコギ部分の静かな雰囲気を表現できます。
8小節後に歌が入り、Eコードからバンドが戻る
最初の8小節が終わると歌が入り、アコギの静かな演奏が続きます。
その後、Eコードの全音符を合図にエレキギターとドラムが再び入ります。E5を1小節分、4拍しっかり伸ばし、途中で音を切らないようにしましょう。
このEコードは、静かなバースからバンドサウンドへ戻る重要なポイントです。エレキギターだけが早く入ったり、音を短く切ったりすると迫力が弱くなるため、ドラムと同じタイミングで弾き始めます。
続くAコードでは「ダダダダ」という4発のキメを演奏します。ここも速さより、ギターとドラムのタイミングをそろえることを優先してください。

ラスト16小節でも「ダッ・ダッ・ダダダ」に戻る
Aコードのキメが終わると、ラスト16小節では再び「ダッ・ダッ・ダダダ」のリズムへ戻ります。
2番のサビと同じリズムなので、新しいストロークを覚える必要はありません。ただし、曲の最後へ向かう部分なので、右手の振りが大きくなってテンポが走りやすくなります。音量を出すときも、腕に力を入れるのではなく、ピックを当てる深さを少しだけ増やしましょう。
最後はDコードから始まる「ダダダダーン」というキメです。D5を短く刻んだあと、最後のA5を「ダーン」と長く伸ばして曲を終えます。
最後のA5を鳴らした直後に左手を緩めず、バンド全体の音が消えるまで押さえ続けると、締まりのある終わり方になります。

原曲の速さについていく練習方法
「終わらない歌」はコードがシンプルな一方、テンポは約175 BPMと速めです。
最初から原曲に合わせるのではなく、次の順番で練習しましょう。
- 80〜90 BPMでコードチェンジを確認する
- 止まらずに弾けたら5〜10 BPM上げる
- 120 BPM前後から右手の振り幅を小さくする
- 150 BPMを超えたら、部分練習と原曲合わせを交互に行う
- 最後に175 BPMへ近づける
テンポを上げたときにミスが増えたら、その速さで無理に繰り返さず、ひとつ前のテンポへ戻します。
「終わらない歌」らしい音作り
歪みは深くしすぎず、コードの輪郭が残るクランチから軽めのオーバードライブがおすすめです。
アンプの設定例は次のとおりです。
| 設定 | 目安 |
| GAIN | 4〜5 |
| BASS | 4〜5 |
| MIDDLE | 6前後 |
| TREBLE | 6前後 |
| REVERB | 0〜2 |
ゲインを上げすぎると、不要な弦のノイズやコードチェンジの雑音が目立ちます。まずは少し物足りない程度の歪みで、ピッキングの強さを使って勢いを出してみてください。
自宅で練習するアンプを探している方は、ヘッドホン対応や小音量での使いやすさも確認しておくと便利です。
よくある失敗と改善方法
コードチェンジのたびにリズムが止まる
コードを鳴らし終わってから次の場所を探すと、移動が遅れます。
最後の音を鳴らした直後に左手の力を緩め、次のコードのルート音を先に見るようにしましょう。最初は右手を止め、左手だけでA5・D5・E5の移動を繰り返す練習も効果的です。
不要な弦が鳴って音が濁る
パワーコードは押さえる弦が少ない分、弾かない弦のミュートが重要です。
人差し指の先で低音側、人差し指の腹で高音側の弦へ軽く触れ、不要な音を止めます。歪みを減らすだけでなく、左手のミュートを整えると音が一気に引き締まります。
速く弾こうとして右手に力が入る
ピックを強く握り、腕全体で弾くと途中で疲れてしまいます。
ピックが落ちない程度まで握る力を弱め、弦の表面を浅く通過させましょう。ピックの先端を深く当てすぎないことも大切です。
原曲に合わせると現在地を見失う
最初は1曲を通して弾かず、イントロ、サビ、Aメロ、間奏というように区切ります。
譜面に小節番号を書き込み、練習する範囲を毎回決めると迷いにくくなります。
初心者向けの練習順
この曲は、次の順番で進めると挫折しにくくなります。
- パワーコードの形とミュートを覚える
- A5・D5・E5だけで弾ける部分を練習する
- イントロのC#5・B5を加える
- AメロのF#5・B5を加える
- 2番サビの「ダッ・ダッ・ダダダ」をA5だけで練習する
- 間奏の単音フレーズに挑戦する
- 2番サビ後の静かな8小節と、E5からの再加入を確認する
- A5の「ダダダダ」と最後のキメを合わせる
- テンポを少しずつ原曲へ近づける
パワーコード自体がまだ不安な方は基礎記事へ戻り、「終わらない歌」の一部分を弾けるようになったら、同じTHE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」へ進む流れがおすすめです。
他の曲も練習したい場合は、「曇天」の解説記事にも挑戦してみてください。
よくある質問
Q.ギターを始めたばかりでも弾けますか?
はい。まずはA5・D5・E5の3つだけで弾ける部分に絞れば、初心者でも挑戦できます。ただし原曲は速いため、最初は80〜90 BPM程度までテンポを落としてください。
Q.通常のコードとパワーコードのどちらで弾くべきですか?
初心者にはパワーコードがおすすめです。原曲の勢いを出しやすく、C#m・Bm・F#mをバレーコードで押さえる必要もありません。コードストロークを練習したい場合は、慣れてから通常のコードにも挑戦するとよいでしょう。
Q.歪ませれば原曲のような音になりますか?
歪みの量だけでは決まりません。ゲインを上げすぎず、不要な弦をミュートし、ピッキングのタイミングをそろえることのほうが重要です。
まとめ|「終わらない歌」でパワーコードとロックのリズムを身につけよう
THE BLUE HEARTSの「終わらない歌」は、初心者がパワーコードを実際の曲の中で練習するのに適した1曲です。
- 曲の中心はA5・D5・E5
- C#5・B5・F#5も同じフォームの移動で弾ける
- 初心者はサビを中心とした3コード部分から始める
- 2番サビとラスト16小節は「ダッ・ダッ・ダダダ」で弾く
- 2番サビ後はアコギだけで静かに始まり、E5の全音符からバンドが戻る
- 原曲は約175 BPMなので、80〜90 BPMから練習する
- 左手だけでなく、右手の力を抜いてリズムを安定させる
最初から1曲すべてを弾こうとせず、まずは4小節、次に8小節というように範囲を広げていきましょう。
シンプルなパワーコードでも、リズムと音の切り方がそろえば、十分にロックらしい演奏になります。





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